しかし何故に こんなにも目が乾く気がするのかしらね

 

 目に映る風景はカラフルで

 

私のためになど

 

用意される訳もないと

 

思っていた景色だった

 

「恋」だと思い手を伸ばした

 

急に色褪せていくように見えた“それ”は

 

「恋」なんかじゃなかった

 

 

 

 

 

 

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私の人生の中で唯一人

別れた後も交流のある人がいる。

あえて連絡を取って会ったり遊んだりしないし

「友達」とは呼べないのかもしれない。

けれど

偶然会えば互いの近況を報告したり

笑ってくだらない話が出来る程には仲が良い。 

 

それは私がどうこうでなく

彼が底抜けに優しい人だからだろう。

 

付き合っていたのは22歳の頃だ。

「付き合っていた」なんて呼べる程

まともに付き合ったわけではなかったけれど。

 

20歳の少し前くらいから通い始めた

地元のアイリッシュパブで知り合った。

常連同士知り合いでなくても気軽に話すような

そういう気さくな店だった。

 

一見大人しそうな彼は

話してみると飄々として面白く、

一緒にいてすごく楽しかった。

 

行きつけの飲み屋で出会ったせいもあって

常連客や店員、友達からも後押しされ

結局付き合うことになったのだった。

 

彼からの好意は感じていたし

彼といれば楽しかったけれど

自分の中で何となく

しっくりこないモヤモヤがあった。

 

付き合ってすぐ

そのモヤモヤは大きくなり

会えば楽しいけれど

会うまでは「行きたくない」「会いたくない」

そんな気持ちが常にあった。

 

結局1ヶ月でやっぱり付き合えないといって別れた。

 

彼は私を一言も責めなかったし

友達でいようと言ってくれた。

 

「別れても友達」なんて所詮は嘘だ。

振った私からは連絡など出来ないし彼からもしてこないだろう。

そう思っていた。

けれど彼は本当に「友達」として仲良くしてくれた。

それまでと変わらず接してくれた。

 

そして

私が彼から貰いたかったものは

「愛情」でなく「友情」だったのだと気付いた。

 

 

 

寂しいから

よく考えもせず付き合ってしまう。

寂しいから

自分の欲しいものを見間違える。

寂しいから

そこを埋める何かを求めて

寂しいから

差し出されたもので埋めようとする。



寂しさは人の目を曇らせ、頭に霞をかけてしまう。

 

「自分に嘘を吐かない」ことは難しい。

 

目を開けて、考える。

 

もう決して、間違うことのないように。