17歳

僕の呪文も効かなかった 夏の魔物に会いたかった

いつの間にか時間が過ぎて いつの間にか歳をとって もう17歳の私は どこにもいない ここに 17歳の頃から今までのことを少しずつまとめて書いていたら 自分の中から ここに全部移動してしまったようだ。 あの頃 感じていた気持ちをPCの画面を前にして文字にし…

野生の残り火抱いて 素足で走れば

肌に纏わりつくような暑さの中を 車の窓を全開にして走った 空が青かった 海が青かった それだけで十分だった 二度と戻らない あの夏の日々 毎日が輝いていた。 学校へ行かず、仲間と集まっては その辺で喋ったり、騒いだり 海沿いをドライブしたり こんな日…

砕け散った夢の欠片も明日になれば星屑さ

狭い水槽の中で一生を終える 彼らは外にも世界があることに 気付いていたのだろうか 小さなコミュニティの中で完結する世界。 はみ出てしまった者同士のコミュニティであって 決して仲間とか、友達なんかじゃなかった。 都合のいい部分だけを見せ合い、 合わ…

「電話じゃない分だけは少しは誠実でしょ?」だってさ

雨が降っていた。 本当の気持ちを考えることはしなかった。 何も知らない方が楽だったからだ。 まだ大丈夫。もう少しだけ。 何も始まってなどいなかったのに 終わりだけはやってくるのだと 知った。 その日は、雨が降っていた。 朝が来ても、いつも部屋は薄…

「大人になんかなってないぜ、子供じゃなくなっただけだよね」

17歳。 私にとっては象徴的なものだ。 今でも忘れられない、17歳の日々。 良いことも、悪いことも、そのすべてが私を作っていた。 自分の気持ちだけが大切だった。 自分は主人公だと思っていた。 自分が望めば、何でも手に入るとさえ思っていた。 私は17歳だ…